3月5日は珊瑚(サンゴ)の日、由来と歴史、珊瑚礁との違いと種類について
2019/11/13
珊瑚と聞くと、何を想像しますか?
私はきれいな海の中に広がる鮮やかな色彩を思い浮かべます。
スキューバーダイビングの経験はありませんが、きれいな珊瑚を自分の目で見てみたいなあと思うこともあります。
その他にも、珊瑚は宝石やアクセサリーに使われる素材の一つですよね。
今回は珊瑚の日にちなんで、その由来や種類と珊瑚礁についてお話しします。
珊瑚について
珊瑚ってそもそも何?
と思いませんか?
宝石としてアクセサリーにも使われますし、海中で揺れ動いていますし、一体何なのでしょうか?
珊瑚って石?植物?生き物?
普通アクセサリーに使う宝石って、ほとんどが何かの鉱石から出来ているイメージがあります。
ですので、(石なのかな?)と思っていました。
う~ん、でも海の中でユラユラ揺れているような映像をみたこともありますし、そうすると石という硬い物質にも思えないんですよね。
石でないとすると、(植物なのかな?)とも思えました。
ですが、珊瑚って実は・・・
動物 なんです。
びっくりです。
珊瑚とは
クラゲやイソギンチャクの仲間に分類される刺胞(しほう)動物の一種で、触手に毒針があります。
腔腸(こうちょう)動物とも言われ、食べ物と排泄物が同じ口から出たり入ったりするという構造になっています。
ポリプと言われる個体が分裂して群体をつくる特徴があります。
珊瑚は動物で、褐虫藻と言われる藻の仲間と共生して生きています。
この褐虫藻を食べて生きています。
珊瑚が(というより珊瑚と共生している褐虫藻が)二酸化炭素を吸収して、酸素を作り出す働きをして地球の環境に貢献しています。
海をきれいにしてくれているんですよね。
珊瑚の種類
珊瑚は大きく分けて2種類です。
- 八放珊瑚(はっぽうさんご)(宝石珊瑚)
- 六放珊瑚(ろっぽうさんご)(造礁珊瑚)
八放珊瑚(はっぽうさんご)(宝石珊瑚)
深海(水深100m以上)に生息する硬質の珊瑚です。
ポリプの触手が8本に分かれています。
太陽の光が届かない深く冷たい海の底でひっそりと生息しています。
とても微小な浮遊物を捕食してゆっくり成長していくのです。
その骨格はとても硬く磨くと美しい光沢を放ち宝石や装飾品として昔から重宝されてきました。
六放珊瑚(ろっぽうさんご)(造礁珊瑚)
ポリプの触手が6本か、その倍数に分かれます。
水深30m前後の浅瀬に生息しています。
珊瑚礁を作り出すのはこの珊瑚です。テーブル珊瑚やすり鉢珊瑚、石珊瑚などとイソギンチャク類が含まれます。
六放珊瑚はその身体の中に褐虫藻を共生させていますので、光合成をおこなうために太陽の光が必要なので熱帯や亜熱帯の浅く暖かい海岸で生息しています。
骨格は小さな穴が開いた軽石状でとても脆く、宝石などの装飾品には向いていません。
成長は早いです。
珊瑚の敵は何?
珊瑚にとっての敵は何でしょうか?
水温が上昇したり、紫外線の強さが変わるだけでダメージを受けてしまうほど珊瑚はデリケートな生き物です。
珊瑚の敵は魚やヒトデなど多数ありますが、一番大きな敵は私たち人間です。
土地の開発をしたり、工業用水を流したりして水質を汚染したり、埋め立てやゴミの違法投棄をすることで自然環境を壊してきたのは他ならぬ人間です。
そのことで多くの珊瑚を死滅させ、海の中の環境を壊してしまっているということです。
珊瑚と珊瑚礁の違い
珊瑚は動物の一匹一匹、または群体の一つ一つを指します。
それに対して、珊瑚礁というのは石灰質の珊瑚の骨格を積み重ねて海面近くまで造り上げた地形のことなのです。
珊瑚だけでなく、石灰藻や虫や貝などの生物も石灰質の骨格や殻を作っていきます。
珊瑚やこうした生物が死んだあとに残された石灰質の骨や殻が固まることによって長い間積み重なっていき、珊瑚礁となります。
ですので、
「珊瑚礁が死滅する」という表現はおかしいんですね。
本当なら「珊瑚が死滅する」というのが本当なんですね。
珊瑚の日の由来とは?
珊瑚の日が3月5日なのは、見たままの「サン(3)ゴ(5)」で、語呂合わせから来たものだとわかりますね。
ではその由来とはどんなものでしょう?
1996年に世界自然保護基金(WWF)が制定したと言われています。
海の自然環境を守ろうと、この日珊瑚を守るべく、スキューバーダイビングして、海中の清掃作業が行われたりするそうです。
また、3月の誕生石に珊瑚があげられるのも理由の一つです。
日本で珊瑚が発見されたのは、江戸時代の終わり頃からです。
その前はヨーロッパから入ってきたものを加工していました。
明治維新後は四国から九州にかけての重要な水産物となりたくさん採取されました。
高知沖でとられる紅珊瑚は採取のし過ぎで今では希少価値があり、黒っぽい紅珊瑚は高級珊瑚です。
珊瑚と宝石
宝石になる珊瑚も当たり前ですが、動物です。
宝石珊瑚は珊瑚虫(さんごちゅう)と呼ばれる動物だというのが正体です。
珊瑚の種類の項でも説明しましたが、宝石珊瑚と呼ばれるものは八放珊瑚とも言われていて海底100m以上の深海で生息しています。
成長がとても遅く、たった1cm大きくなるのに50年もかかるような物も存在します。
宝石珊瑚の種類
宝石珊瑚の中にも種類があります。
- 紅(赤)珊瑚
- 地中海珊瑚
- 桃色珊瑚
- 本ボケ珊瑚
- ピンク系珊瑚
- 白珊瑚
- 黒珊瑚
などです。
珊瑚って様々な種類があるのですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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