3月3日はひな祭り、由来と歴史、地方によって違うお祝いの仕方
2019/11/13
「灯りをつけましょ、ぼんぼりに~」
というおなじみの歌で代表的な行事といえば、
ひな祭り
ですね。
女の子の節句で別名「桃の節句」とも言います。
日本ではおなじみの昔からの「ひな祭り」ですが、その由来はどういうものなのでしょうか?
また、地方によっては多少違ってくるお祝いや行事の内容も気になるところですね。
今回は「ひな祭り」の由来や歴史を始め、地方によって違う行事内容についてお話しします。
ひな祭りについて
ひな祭りは日本で、女の子の健康と成長を願って行われる昔からの年中行事です。
ひな人形を段々になった木の台の上に飾って、桃の花や菱餅(ひしもち)も飾ります。
白酒やお寿司、ひなあられなどを食べたり飲んだりしてお祝いします。
由来と歴史
平安時代から「五節句」という行事があり、季節の節目に身のけがれを祓い(はらい)健康や長寿、厄除けを願う風習がありました。
五節句とは?
- 1月7日「人日(七草がゆ)」
- 3月3日「上巳(桃の節句)」
- 5月5日「端午(菖蒲の節句)」
- 7月7日「七夕(星祭)」
- 9月9日「重陽(菊の節句)」
300年頃の中国で起こった「上巳節(じょうしせつ)」にさかのぼります。
上巳とは3月上旬の巳の日という意味で、後に日付が変動しないようにということで、3月3日になりました。
季節の変わり目には災いをもたらす邪気が入りやすいと考えられていたため、この日に川などの水辺で穢れを祓う習慣があったそうです。
それが遣唐使によって日本に伝えられ、日本のみそぎと呼ばれる神事と結びついてひな祭りの起源となったようです。
平安時代は宮中行事として人型を川や海に流すのが主流でした。
今でも「流し雛」という風習があるのはこのせいです。
江戸時代になると武家社会に広がり、上巳の節句が五節句のひとつに定められると、3月3日を女の子の節句に、5月5日を男の子の節句に定め、時代とともに定着していきました。
人形作りの技術の発展と高級化するにつれて、人形は流すものではなく、飾るものへと変化していきました。
これによって、内裏雛を雛壇に飾る「ひな人形」が流行り、「ひな祭り」として女の子の幸せを願って、みんなでお祝いをするようになったというわけです。
「ひな祭り」をどうして「桃の節句」というの?
3月3日は桃の花が開花する時期と重なるという理由と、桃の木が邪気を祓う神聖な木だと考えられていたせいです。
地方によって異なる行事
ひな祭りのお祝いは同じ日本であっても、地域によって違うお祝いの仕方をする場所もあります。
3月3日だと思われていたら、4月3日にひな祭りを行う地域もあります。
地方によってどんなひな祭りの行事が行われているのでしょう。
沖縄県「浜下り(はまうり)」
沖縄県では3月3日にひな祭りの風習はありません。
沖縄県では旧暦で行事を行うので4月4日になります。
しかし、ひな人形を飾ってお祝いをするのではなく、「浜下り(はまうり)」と言って、女性はこの日、家にいてはいけない日とされ、ご馳走やお弁当を持って、海や川に行き、踊ったり遊んだりして帰ります。
所変われば・・・ですよね。
福岡県柳川市「さげもん」
「さげもん」と呼ばれる雛飾りが街中に華やかに飾り付けられます。
福岡県柳川市は水と緑の城下町です。
ひな人形やちりめん細工を吊るして飾って色鮮やかな街並みになります。
また水郷・柳川ならではの水上パレードがあり、お内裏様とお雛様と着物姿の女の子たちがどんこ舟に乗り分けて水上に飾られたさげもんの下を漕いで進んでいくのです。
川辺でのひな祭りということですね。
大分県日田市「さげもん」
こちらも「さげもん」と呼ばれる雛飾りでお祝いします。
日田市(ひたし)は九州随一の天領です。
天領とは?
江戸幕府が直接納めた領土のことです。
経済的にもうるおっていて、天領に住んでいた人々は税を納めるのが軽くてすんだそうです。
天領日田と言えば、「奇跡の水」でも有名になりました。
若い頃、日田にしばらく住んでいた私は、川沿いの祭りが印象的です。
豆田地区のひな祭りも実際に見に行ったことがあります。
とても時代と風情を感じる街並みに雛飾りがたくさん飾られていて、江戸時代に来たような気持になりました。
時代をさかのぼった様な気持ちになるひな祭りです。
千葉県勝浦市「ビッグひな祭り」
まさにビッグなひな祭りです。
半端ない量のお雛様が飾られています。
勝浦の遠見岬神社の60段の石段におよそ1200体の人形がぎっしり飾られる様は圧巻です。
夜にはライトアップされて、それもまた見ものですよね。
岐阜県郡上市「福よせ雛」
郡上八幡城下町の旧家や老舗など約100件が珍しい雛人形を展示しています。
歴史情緒を感じられる街並みも見られますし、お雛様の生活を表している「福よせ雛」も見られます。
何だか、ひな祭りという祭りっぽくなくて、日常のお雛様たちという感じですね。
大分県中津城「人間ひな祭り」
雛人形がなんと人なんです。
人間がお雛様の代わりに巨大な雛壇に飾られているのは何ともリアルです。
天気が良ければいいですが、雨だと大変ですね。
五人囃子は実際に楽器を奏でてくれるのでしょうか?
祭り自体に参加できるので、こういうひな祭りも面白いですね。
群馬県渋川市 伊香保温泉「石段ひな祭り」
こちらもリアルお雛様です。
でも、こちらは大人ではなく、子供なんです。
公募で決まった幼稚園児が飾られる(?)ようです。
可愛らしくて微笑んでしまいますね。
でも、同じ場所にじっとしていられるのかな?
見ている大人がハラハラですね。
子供が楽しむというよりは、その親や周囲の大人が見て微笑ましく思えるひな祭りだと思います。
佐賀県西松浦郡 有田町「磁器製座りびな七段飾り」
佐賀県は、焼き物でも有名な土地で、有田焼もよく知られています。
その有田焼で雛人形を一体一体焼き上げて、7段の雛飾りを完成させてります。
磁器というものは、焼いて行く途中で縮むので、人形などの複雑な形をしているものは縮んたときに割れやすく制作も難しい物です。
そんな中で磁気のお雛様、それも7段分の小物まですべてそろえられているというのは魅力ですよね。
技の結集を見られるということですね。
芸術作品を堪能できるひな祭りです。
愛媛県松山市「姫だるま」
日本で初めての女性の皇后が道後温泉でご懐妊されたことを記念して作られたのが由来の伝統工芸です。
子供の成長と幸せを祈って庶民のマスコットとして愛されています。
結婚、新築、誕生日、節句など、様々なお祝い事などの際に贈られ、服を招くだるまとして大切にされています。
ひな祭りの時はもちろんですが、日頃から親しまれる伝統の技が見られそうですね。
茨城県水戸市「五軒紅梅ひな流し」
常陸和紙人形会が約500体の和紙人形を制作して参加者に無料配布しています。
身体の穢れや災害を人形(ひとがた)に移して水に流したという中国での風習が起源となっているようです。
最近では自作で人形を作って流す人もいるようです。
川を流れるたくさんのお雛様はとても色とりどりで情緒ある風景でしょうね。
もともと、お雛様に厄よけの意を込めて川に流す風習を今でも引き継いでいるひな祭りだと言えますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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