3月29日「八百屋お七の日」の由来と話のあらすじについて
2019/11/13
八百屋お七と言えば歌舞伎の中でも演じられる有名なお話しですね。
江戸時代の若い女性の恋心ゆえに罪を犯したというものです。
なぜ、記念日まであるのだろうと不思議に思いました。
今回は八百屋お七の日という記念日の由来と、そのあらすじについてお話しします。
八百屋お七とは?
江戸時代に八百屋の娘「お七」という女性(少女)が好きな人に会いたい一心で、放火という大罪を犯し、処刑されました。
その真実は定かでなく、話の内容は様々に伝えられています。
もちろん、脚色されたものもあるのでしょうが、ただ一人の女性が好きな人のために放火をして、処刑されたということは事実のようです。
「八百屋お七物語」は、江戸時代の俳人で浮世草子の作家である「井原西鶴」の「好色五人女」という作品の中の話です。
その後、歌舞伎や浄瑠璃などで作品の一つとして拡散され有名なお話しになりました。
ただの恋物語と取り上げるものもあれば、少女の行き過ぎた浅はかな恋心の部分を取り上げるものもあります。
浄瑠璃などでは、悲劇性を増したお話しになり、井原西鶴の書いた最初のお話しとはストーリーが大きく変わり、少女と恋人の名前やお寺の名前だけが共通点だというものもあり、怪談として取り上げられることもある。
八百屋お七の日の由来
お七が放火して処刑された日が天和3年3月29日(1683年4月25日)です。
その刑に処せられて、亡くなった日を由来としています。
八百屋お七のあらすじ
江戸時代、江戸の街は火事が多いことでも有名でした。
そのような背景の中でお七という少女と吉三郎という寺小姓の恋模様を書いたお話しになっています。
天和2年の師走の火事でお七の家も火事の被害に遭い、焼け出されて駒込吉祥寺というお寺に避難したのが始まりです。
避難したお寺でそのお寺にいた小野川吉三郎と出逢います。
吉三郎が指に刺さった棘で困っていたところに居合わせたお七が、その棘を抜いてあげたことが縁で、お互いに意識し合います。
時が経つにつれてお互いの思いは高まるが、八百屋の新しい家が完成し、お七は両親と寺を引き上げることになってしまいます。
二人は会えなくなりますが、吉三郎がお七恋しさに変装して八百屋に会いにきます。
十六歳の初々しい恋心が会えない時間があるがために強く高まっていきます。
この後に、なかなか会えない吉三郎の事を思い詰めたお七が、家が火事にさえなればまた、吉三郎がいるお寺に行けると思い、火付けをしてしまいます。
この時の火事はボヤだという説もあれば、大勢の犠牲を出した大火事に発展したという説もあります。
真実は定かではありませんが、この火事で捕まったお七が火あぶりの刑になるのです。
吉三郎はこの時病気を患って、床に伏していたため、この出来事を知りませんでした。
吉三郎が起きられるようになったのはお七が亡くなって100日経った頃で、建てられたお墓の名前を見て悲しみのあまり自害しようとします。
それをお七の両親や周囲の人々に説得されて吉三郎は出家し、お七の霊を供養する人生を送ったそうです。
歌舞伎や浄瑠璃、怪談でも取り上げられる
この八百屋お七のお話しは歌舞伎や浄瑠璃、怪談でも作品として取り上げられ、少しずつ解釈を変えて演じられています。
恋心を大きく取り上げた作品や、悲劇性を取り上げた作品、女の怨念を取り上げた作品など、それぞれにイメージも変わっています。
また登場人物の吉三郎が脇役で出てくる話もあれば、お七の恋焦がれた相手の名前もいくつか違うものもあり、真実はどうなのかわかりません。
しかし、どの作品にも共通しているのが、八百屋の娘お七が恋した人に会いたいがために、放火をして火あぶりの刑に処せられたということです。
この話には、別のエピソードもあり、お七の犯した罪を何とか軽くしてあげたいと思ったお奉行様が年齢をお七に問う場面があったそうです。
当時、火付けの罪は重く、死罪に値するものでした。
しかし15歳以下なら刑を軽くすることができたようです。(現在の少年法のようなものです)
それで16歳のお七にお奉行様がわざと、
「そなたは、確か歳は15だったな」
と尋ねました。
しかし、この意味がわからなかったのか、正直過ぎたのかお七は自分が16歳であることを強く訴え、お奉行様もどうすることもできず、結局お七を死罪にするしかなかったというのです。
「八百屋お七」のお話しは作品によって内容が変わっていて、読み比べてみても面白いかもしれませんね。
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