3月18日は点字ブロックの日、由来と歴史、種類について
2019/11/13
点字ブロックという言葉を聞いたことはありますか?
目の不自由な方のために道路などに置かれた板のことです。
突起がついていて、そのでこぼこの状態で、止まるべき場所や進む方向などを示してあります。
正式名称は、「視覚障害者誘導用ブロック」と言います。
駅前の大きな道路などでは見かけることも多いのではないでしょうか?
ドット(水玉のような点々)が等間隔で並んだ物や棒状の凹凸があるものです。
色は黄色い物がほとんどですね。
今回は点字ブロックの日の由来とその種類についてお話しします。
点字ブロックについて
点字ブロックがどういうものかわかっても、視覚障害のある方についてはあまり知らないことが多いと思います。
点字ブロックの設置の背景にはどのような情報があるのでしょうか?
なぜ黄色が多いの?
視覚障害のある方もその障害の程度はお一人お一人違います。
完全に見えない方もいらっしゃれば、わずかに明るさや色彩を確認できる方もいらっしゃいます。
「弱視者」と呼ばれる、わずかに見える方のために、見えやすい色として黄色が使われています。
子供の頃の視力検査で経験のある方もいらっしゃるかもしれませんが、紙に書かれた英語の「C」マークで表された視力検査表の一番上の文字を確認できない場合、1メートルずつ前に進んで視力を調べました。
その場合の0.1以下の視力を大きく括って弱視ということもあります。
今では電子顕微鏡のような検査器具を使われることがほとんどでしたが、私も一時期、弱視状態のことがありました。
弱視の定義
メガネやコンタクトレンズを使っても視力が出ない目のことを言います。
裸眼視力が0.1以下であっても、メガネやコンタクトレンズで矯正したときに1.0以上になれば「弱視」とは言いません。
視覚障害のある方はすべてが全盲(まったく見えない)の方ばかりではなく、弱視者が7割もいらっしゃるのです。
ですので、道路で分かりやすい色(正確には色の違いよりも輝度(明るさや暗さ)の差がはっきりしている色)を使うことが理にかなっているのです。
アスファルトなどのグレーに近い黒っぽい道路が多いことから明るい黄色が使われることが多いようですが、場所によっては違う色が使われている場合もあります。
一部の地域では景観を損なわないようにと、普通の道路と似たような色で点字ブロックの突起だけが頼りという点字ブロックもあるようですが、これは弱視の方にとっては不親切だと思います。
全盲の方は白い杖を持っておられますので、その杖で地面の突起を確認しながら歩き、弱視の方はその明るさと色を頼りに歩いていらっしゃいます。
ですので、一般的に使われている黄色は弱視の方のための色だということになります。
また、視覚障害のない方にとっても、点字ブロックの存在を知るのに目立つ色のほうがいいですよね。
どんな場所にもあるの?
点字ブロックを設置する場所には決められた基準というものがあります。
- 頭上および周囲30cm以内に障害物がない箇所に設置すること
- 移動方向を認識しやすいこと
- 必要な場所に誘導されていること
- 連続性を保つこと
- 屈曲部の角度(内角)が135度以上の場合にはその箇所に警告ブロックを設置しないこと
- 足裏の触感覚でブロックの方向を認識できる程度の面積があること
点字ブロックの歴史
点字ブロックは日本人、三宅精一さんによって1967年に岡山市内で初めて登場しました。
三宅さんの友人が視力低下を訴えたことがきっかけとなりました。
視力低下のせいで歩くのにも困るようになった友人を助けたいと考えていたさなか、友人が「突起物ならわかる」と言ったことにヒントを得て発明したのが「点字ブロック」でした。
その完成が1965年です。
道路に設置されたのはその2年後で、1967年3月18日のことでした。
その場所は、岡山県立盲学校近くの国道2号線の横断部分を示す歩道側です。
枚数にして230枚でした。
最初は三宅さんの私財でスタートした事業でしたが、1972年に初めて公的資金による本格的な点字ブロックの設置が始まりました。
高田馬場周辺に1万枚でした。
その後試行錯誤を繰り返しながら、点字ブロックの規格なども定まり、現在に至ります。
点字ブロックの日の由来
点字ブロックが初めて道路に設置された日が1967年の3月18日だったことに由来しています。
その種類
点字ブロックには2種類あり、線状ブロックと点状ブロックに分かれます。
線状ブロック
四角いブロックの中に4本の線があります。
このブロックは進む方向を示していtます。
見えない状態で真っ直ぐ歩くのが難しいのはお分かりだと思います。
その中で、進む方向に対して真っ直ぐに設置された線状ブロックは進む方向を確実に教えてくれます。
点状ブロック
四角いブロックの中に縦5個、横5個の合計25個の点が等間隔で設置されています。
これは、注意を促すブロックで、線状ブロックと組み合わせて配置されています。
横断歩道の手前や階段の手前、案内板などの手前などに設置されています。
交差する場所、いったん停止する場所には必ずあって、段差や扉の存在を知らせる目的があるので、このブロックがある場所を障害物などで遮ってあった場合は命に関わるほどの危険に発展することもあります。
点字ブロックの問題点
点字ブロックは視覚障害のある方にとって、便利な生活の一部ではありますが、社会生活の中でいくつかの問題も抱えています。
種類のばらつきや色や材質による識別の困難さ
景観を損なわないようにという趣旨で、周囲の環境や歩道の色と同系色に近い物を使われることがあり、弱視の方や色の視覚障害(色弱者)にとっては識別が難しいことになっています。
これは、社会的には環境やデザインの面ではよくても、視覚障害のある方には不親切です。
点字ブロックの上に置かれる障害物
点字ブロックの上に置いてある障害物は視覚障碍者の危険につながります。
点字ブロックの機能が十分に発揮されないばかりか障害物にぶつかって転んだり、置かれている物が倒れてきたりして怪我してしまうかもしれません。
弱視の方だけでなく、全盲の方の杖があたってとめられていた自転車などが横倒しになり大きな事故につながる可能性だってあるかもしれません。
他の人の歩行の邪魔になる
点字ブロック自体が一般の歩行者の通行の妨げになることもあります。
本来は平らであるべき道路がでこぼこであるということは、足腰が弱い高齢者の方や走り回る子供たちにとってつまずく原因になります。
車いすやバギーやベビーカーの通行が困難になり、雨天時や路面が凍ったときに滑りやすくなるなどの問題も出てきます。
誰もが住みやすい社会作りというのは本当に難しいものですね。
大切なのは、自分中心に物事を考えるのではなくて、助け合うという気持ちを持つことだと思います。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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