2月3日「節分」の由来と歴史、「豆まき」「いわし」「柊(ひいらぎ)」「恵方巻」とは?
2019/12/21
「鬼は外~福は内~」
のかけ声で馴染み深い節分は、2月3日に豆まきが行われる年中行事です。
保育園や小学校など、子供が取り組む行事としても有名ですね。
最近は「豆まき」よりも「恵方巻を食べる」ことの方が多くなってきて、この日ばかりはどこのコンビニやスーパーなどでも海苔巻きを見かけないことはありません。
今回は節分という行事についてお話しします。
節分の由来
季節を分ける「せち分かれ」と言って、日本の暦である二十四節気(にじゅうしせっき)の中の、立春・立夏・立秋・立冬の季節の始まりの日の前日を節分と言っていました。
それが、時代の流れで冬から春になる立春の前日である2月3日だけを節分というようになったのです。
立春は一年の始まりとされていて、一日前の節分の日は旧暦の大晦日に当たるのです。
一年の邪気を払い、新しい春を迎えるようにこの立春の前日の節分だけが残ったようです。
節分とはどんなもの?
季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると思われていて、それを追い払うための行事として昔から行われていました。
旧暦では大晦日にあたるこの日に、一年の厄を払い落として、新年はいい運気を呼び込もうという考えで節分という行事が行われるようになったのです。
豆まきの由来
邪気を追い払うために昔から豆まきの行事が行われていました。
どうして豆なのかと言いますと、
「穀物には魔除けの力が備わっている」
という考え方と、
「魔目(まめ)」という語呂合わせから、豆を鬼の目に投げて鬼をやっつける「魔滅(まめ)」に通じるということで、豆を鬼にぶつけることで邪気を追い払って一年の無病息災(健康)を願うという考え方があります。
豆まきの仕方は?
豆をまくときには声をかけます。
掛け声は
「鬼は外、福は内」
というのが一般的ですが、地域によっては違う言いかたもあります。
例えば鬼を祭っている神社や、鬼を神様のお使いだとしている神社もあり、そこでは「鬼は外」ではなく、「鬼は内(鬼も内)」と掛け声をかける所もあります。
使われる豆について
豆まきに使われる豆は、お祓いをしてもらった炒り豆(大豆)であることが多いです。
なぜ炒ってから使うのかと言いますと、節分は一年の厄を落とすための行事であるから使い捨てるという風習に基づいているからなのです。
撒いた後に豆から芽が出ないようにするために炒ったものを使うそうです。
北海道や東北、北陸、南九州では大豆ではなく、落花生を撒きます。
地域や寺社によっては餅やお菓子、みかんなどを撒くところもあるようです。
落花生は大豆に比べて拾いやすいのと、地面に落ちても実が汚れないからという合理性を考えて、後から変化したもののようです。
現代の豆まきは?
スーパーなどに行くと、節分コーナーなどが設置されていて、鬼やおたふくのお面がついている豆菓子が売られています。
私が子供の頃は誰が鬼になるか福の神になるか兄弟姉妹で言い合ったものです。
鬼役は、一方的に豆を投げつけられ、玄関から外まで出ていかなくてはならないので誰もやりたがりませんでした。
結婚して子供ができると、鬼役はもっぱら父親で、子供たちはお父さんに向かって「鬼は外~」と豆を投げつけていました。
元来、豆を撒く人は、家の長である父親や年男がつとめるものでした。
学校や地域の行事として行う場合は、年男、年女にあたる人が豆をまくという風習もありますね。
現代では家庭によって、独自の豆まきがあるでしょう。
鬼役になるのも楽しみながら決めたりしていけるので、いいですね。
一つの行事で家族のコミュニケーションも深まり、伝統も伝えていけるというとてもいい環境だと思います。
行事には受け継がれることの素晴らしさがありますね。
いわしと柊(ひいらぎ)の由来
最近では、節分という行事にいわしや柊が出てこなくなりました。
私の出身は九州ですが、いわしや柊と聞いても節分に関係するものだとは全く知りませんでした。
いわしと柊(ひいらぎ)を飾る
節分に関係するものに、「鰯(いわし)と柊(ひいらぎ)」があります。
いわしは食べられることもあれば、飾られることもあります。
柊にいわしを刺して飾るのは関西が発祥なのだそうです。
柊の小枝に焼いたいわしの頭を刺して玄関に飾るという習慣があるとのこと。
今の今まで私は知りませんでした。
なぜ、いわし?
なぜ、柊(ひいらぎ)?
という疑問にお答えします。
いわしには独特の臭いがあります。
いわしを刺している柊(ひいらぎ)には鋭いとげがあり、この臭いととげで、鬼が家の中に入ってこないようにするためだそうです。
また、いわしを食べるのは、身体の中の邪気までも払ってくれるからという意味合いがあります。
地方によっては、カニを食べる所もあります。
これは、立派なハサミで、鬼の首を挟んでくれるからだそうです。
こうやって見て見ると、鬼をやっつける食べ物なら何でもありではないかと思ってしまいました。
その他にも、長野独特の蜂の子もありですよね。
蜂が鬼を刺してくれますし・・・
ん~?だめでしょうか?
恵方巻の由来
では、「恵方巻」の由来は何でしょうか?
私は7~8年前にやっと恵方巻の存在を知りました。
自分が子供の頃はなかったような気がするのですが、地方にもよるのでしょうか?
いつからどこで始まったもの?
恵方巻の起源は大阪の一部地域にて昭和7年頃から始まったもののようです。
そんなに昔からあったとは知りませんでした。
大阪の花街(芸者さん達でにぎわう街)で、節分をお祝いし、健康や商売繁盛を祈って食べたそうです。
当時は、「恵方巻」という呼び方ではなくて、「丸かぶり寿司」「太巻き寿司」と呼ばれていました。
七福神にちなんで、7つの具を入れて巻いていたようで、一般家庭では見かけない風習だったとのこと。
なぜ一本丸かじりするの?
切り分けて食べたりすると、すべての福を包み込んでいるのを逃してしまうということで、商売繁盛の運をすべて、一気に頂くという意味合いがあって、一本丸かじりするのだそうです。
途中で食べるのを止めると運を逃してしまうと思われていたみたいですね。
恵方(運気のいい方角)を向いて、無言で一気に食べるという行為はこっけいです。
私も子供たちとやってみましたが、せっかく美味しい海苔巻きを食べているのに、味わってよく噛んで食べられないのはとても残念でした。
やっぱり、美味しい物は家族で、
「おいしいね」
と顔を見合わせて、楽しく頂きたいものです。
由来や起源などはあくまでも事の起こりであり、時が経つにつれて風習や意味合いというものは少しずつ変化していきます。
恵方巻自体はおいしいので、なくならないでほしいですが、食べ方は年々変化して家族で談笑しながら食べるような習慣になっていってくれないかなと心ひそかに願ったりしています。
恵方巻という名前について
ある大手のコンビニエンスチェーンが広島で太巻きを売り出す際に「恵方巻」と名前をつけたのが始まりだという説があります。
最近では、お寿司だけでなく、タコス風のものや、生春巻き風のもの、フルーツたっぷりのロールケーキまでも「恵方巻」の名前で売られています。
こうやって、時代とともにどんどん変化していくものなのでしょうね。
節分という行事はこれからも続いていくと思いますが、その内容は時代と共に少しずつ変わっていくかもしれませんね。
行事は、地方によって、その家庭によって、オリジナリティーあふれるものがあります。
内容は変わっても、
健康や商売繁盛を願うという考え方だけは末永く引き継がれるといいなと思っています。
日本の風習や行事を伝えるのは大人の役目です。
正しく子供に教えられるようになりたいものですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
気になったこと質問などありましたら、下のフォームからコメント頂ければ嬉しいです。
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