2月14日「バレンタインデー」の由来と歴史、日本と外国の違い
2019/11/13
世界中で有名な行事の一つ、バレンタインデーですが、誰もが甘い想い出や苦い経験が一つや二つはあるのではないでしょうか?
日本では女性から男性に好きという思いをこめてチョコレートを贈るというのが一般的な行事です。
しかし、もともと、バレンタインデーは外国の行事であり、その本来の意味も少し違うものがありました。
今回は今では有名だけど、本当の由来や行事の意味をよく知らない人のために、バレンタインデーについてお話ししたいと思います。
バレンタインデーとは
いつ?
2月14日です。
この日にちは世界共通です。
由来
古代ローマでは、2月14日は「家庭と結婚の神様」である女神ユノの祝日でした。
そして翌日15日から「ルぺかリア祭」という安産のお祭りが行われていたのです。
当時若い男女は別々に生活していたので、ルペカリア祭は男性と女性が巡り合う唯一のお祭りでした。
ルペカリア祭の前日に若い女性たちは札に自分の名前を書き、桶(おけ)の中に入れます。
翌日男たちは桶から札を1枚引いて、その名前の女性とお祭りのパートナーをくみ、1日を過ごしました。
多くのパートナーがそのまま恋に落ち、結婚しました。
ルペカリア祭のこの風習が約800年間続けられてきましたが、ローマ皇帝のゲラシウムは、「愛する人を故郷に残した兵士がいると戦いの士気が下がる」という理由でこれを禁止してしまいました。
その時にキリスト教の司祭であった聖バレンティウスは結婚が許されない兵士を哀れに思い秘密に結婚させていました。
しかしそれがバレて、捕らえられ、処刑されてしまいました。
この事に反発したローマの若者たちが前日の2月14日に好きな女性に愛のカードを渡すことを思いつき、そのカードに愛の殉教者である聖バレンティウスの名前を書いたそうです。
それがもとになり、世界各国で2月14日は恋人たちの日としてお祝いされるようどになったのだと言われています。
最初の頃は、聖バレンタインデーは、亡くなった司祭の聖バレンティウスを追悼する宗教的な行事でした。
これが変化してきたのが14世紀頃からで、若い人たちが愛の告白をしたり、春の訪れとともに小鳥がさえずりはじめる季節であることからこの日が愛する人への贈り物を日になったとも言われています。
意味
恋人や家族、友達など大切だと思う人にその愛する気持ちや想いを伝えるという意味があります。
日本でのバレンタインデーとチョコレート
日本での一番古いバレンタインデーは?というと、神戸の洋菓子店「モロゾフ」だと言われています。
モロゾフは現代でも有名な洋菓子店ですが、創業は1931年(昭和6年)でした。
お洒落なチョコレートを製造して売り始め、翌年1932年には日本で初めてバレンタインチョコレートを発売しました。
これは、モロゾフの創業者がアメリカ人の友人を通じて2月14日に贈り物をする欧米の習慣を知ったからだそうです。
1936年には英字新聞ジャパンアドバタイザーに日本初のバレンタイン広告をのせ、その後もこのすてきな文化を広めようと発信し続けたのです。
1958年にはメリーチョコレートというメーカーの営業主任がヨーロッパの知人からバレンタインの話を聞いたことがきっかけで、東京の伊勢丹でチョコレートの売り上げを目的として2月14日のバレンタインデーにちなんだキャンペーンを行ったそうです。
最初の年はそのコーナーで売れたチョコはわずか5個だったようです。
最初は反響が少なかったのですが、その後女性誌に取り上げられたことがきっかけで少しずつ認知度が高くなっていったようです。
それでも定着したのは昭和50年頃だそうなので、かなりの時間がかかっていますね。
チョコレートとバレンタインデーを関連づけて広告を出した当時の人たちって凄いなと思います。
外国からの行事を取り入れようとしたり、広告を発信し続けたその努力が実って、バレンタインデーは今日では、
「チョコレートで想いを伝える愛の日」
として女性中心に国民的イベントになったという訳です。
と同時に、日本チョコレート・ココア協会によって2月14日を「チョコレートの日」と制定されました。
外国でのバレンタインデー
日本ではチョコレートを女性から男性に渡して、愛を伝えるというのが一般的な行事になっていますが、では、外国ではバレンタインデーの日にはどのように過ごし、どのような行事を行うのでしょうか?
アメリカの場合
アメリカでは女性から男性に渡すことはありません。
その逆です。
男性が愛する女性にプレゼントを渡します。
それは、チョコレートだけでなく、花束やぬいぐるみ、ジュエリーなども一緒に渡します。
そのため、前もってレストランを予約して準備を整えておくそうです。
日本と大きく違うのは義理チョコという感覚がないことです。
本当に好きな人にしかチョコを渡すことはないようです。
また、車社会のアメリカならではの話ですが、バレンタインデーのためのプレゼントがガソリンスタンドでも売られているそうです。
イギリスの場合
イギリスのバレンタインデーは女性からだけでなく、男性からもカードや花を贈るそうです。
カップル同士でプレゼント交換することもあるとか。
イギリスでのバレンタインデーの特徴として、バラの花とカードでしょう。
カードには名前を記さず、匿名で贈られることが多いとか。
誰から贈られてきたカードなのかはっきりわからないと何だか落ち着かない感じがしますよね。
イギリスでは、この日街中がハートやバラの形をした飾り物に溢れて、ピンク色のイルミネーションなどでキラキラと輝く一日になる。
レストランの席がすべてカップルシートになるというほどで、未婚、既婚にかかわらず、愛を語る人たちで溢れかえるそうです。
愛するという花言葉を持つ赤いバラの花とストレートな言葉で愛を伝えるのがイギリス流のようです。
情熱的ですね。
ドイツの場合
ドイツでのバレンタインはどのようなものでしょうか?
ドイツでのバレンタインデーは日本や他の国とはちょっと違っていて、よく知っておかないと困ることになります。
日本で渡すチョコレート、これはドイツ人にとって、???マークが頭に浮かぶのでご用心。
チョコレートではなく、花束を渡すのが常識だそうです。
プレゼントを女性から男性に渡す日本と違って、ドイツでは男性から女性に渡すのが当然の慣わしらしいです。
ここが大きな違いなのですが、バレンタインデーはカップルや夫婦などが祝うものであり、まだ付き合っていない人にプレゼントを渡すのはルールから外れているようです。
それゆえに、義理チョコ、義理花束などは存在しません。
下手に色々な人にプレゼントを渡そうものなら、「浮気しています」と公言しているようなものなので、注意が必要です。
フランスの場合
フランスは「恋多きパリジェンヌ」と言われるだけあって、情熱的なバレンタインデーを送るのかと思いきや、実際はいたってシンプル。
恋人同士で、一緒に食事をしたり、相手にバラの花束やカードを贈ったりするくらいです。
好きな人に愛を伝えるというよりも、恋人同士で会いを語り合う特別な日と言った感覚に近いでしょう。
贈る側も男性から女性へといったスタイルが一般的です。
もともと女性に優しいイメージの国ですので、お返しなんてものも存在しません。
女性は男性からのプレゼントをもらいっぱなしで構わないのです。
この人にも、あの人にもと、義理チョコをたくさん用意する日本とは違って羨ましいですね。
イタリアの場合
もともとイタリアがバレンタイン発祥の地。
イタリアでは、この日を「恋人たちの記念日」と考えています。
女性から男性に告白したり、チョコレートを贈る習慣はありません。
イタリアでは、男性から女性にプレゼントを贈るのが主流です。
赤いバラ、アクセサリー、下着などが人気だとか。
女性から男性にプレゼントすることもありますよ。
バレンタインデーはイタリアでは最もレストランの予約が取れにくい日だと言われています。
カップルでディナーを楽しむ習慣がありますので、この日はレストラン側も特別ディナーを企画したりします。
ちなみに人気のレストランは「お寿司が食べられる日本食レストラン」なのだそうです。
日本人は、この日にわざわざイタリア料理のレストランを予約する人もいるというのに面白いですね。
イタリアでは、プレゼントにカードを添える習慣があります。
愛をささやかせたら右に出るものはいないと言われるイタリア男性。
どんな愛の言葉をカードにたくすのでしょうね。
韓国の場合
私たちのお隣の国韓国のバレンタインはどうでしょうか?
やはりお隣というだけはあって、バレンタインの風習は日本とよく似ています。
女性から男性にチョコレートをあげるのも、父親や兄弟や友人に渡す義理チョコが存在するのも同じなのです。
それに加えて上司に渡す「礼儀上チョコ」なんてのもあるそうです。
もちろん、3月14日にホワイトデーもあります。
それにプラスして翌々月の4月14日には「ブラックデー」というものまでそんざいするそうです。
これは、バレンタインデーやホワイトデーに、何もなかった人が最後のチャンスとばかりに意中の人にアタックする日だということです。
ブラックデーには、黒い服を着て、ジャージャー麵を食べるのだそうです。
日本との違いをあげるとするなら、韓国では手作りのプレゼントを贈るというよりも、目いっぱい派手に、カラフルに飾りつけしたプレゼントを贈るという部分でしょうか。
とにかくラッピングがカラフルなのです。
大きなかご(パグニ)にチョコやぬいぐるみなど、様々なプレゼントを詰め込んで贈るそうですが、バレンタインデーのこの日は、街中に大きな荷物を抱えた男性が溢れかえるそうです。
街中のディスプレイも派手目です。
この日に韓国を訪れると、きっと目がチカチカするほどに、色とりどりの飾りが見られると思いますよ。
タイの場合
タイのバレンタインデーもやはり、若い男女にはドキドキワクワクする日となるようです。
でも、日本ではどちらかというと、チョコをもらえるかな?と不安になるのは男性で、落ち着かないのも男性ですが、タイでは女性の方が落ち着かないに違いありません。
なぜかというと、タイでもプレゼントを贈るのは男性から女性にというスタイルが多いからです。
また、タイではチョコを贈ることもありますが、それ以上にバラの花を贈る風習があるそうです。
この日のバラの花束と告白は求婚の意味で行う男性も多く、この日にたくさんのカップルが結婚したり、プロポーズし、プロポーズされるという人生の一大イベントともなるのです。
こういう風習だと、女性は一日ソワソワしても当たり前ですね。
まとめ
バレンタインデーの由来や日本でのチョコレート事情、外国のバレンタイン事情などをお伝えしましたが、もっとたくさんの国のバレンタインデー事情を調べてみるのもおもしろいかもしれませんね。
私はというと、ドキドキワクワクするような年代はとっくに過ぎましたが、せっかく日本に生まれ育ってきていますので、この行事にのって、チョコレートを用意しようと思っています。
結果も大事ですが、チョコを買う、手作りのお菓子を作るというこの過程を楽しむことも行事の醍醐味の一つですね。
あなただけのアイデア溢れるバレンタインデーを目指してドキドキワクワクしてくださいね。
手作りしたいけど、時間がないわとあきらめているあなたへ。
そんな時は、ちょっとおしゃれなチョコを用意してみませんか?
自分のためのご褒美にもいいですよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
気になったこと質問などありましたら、下のフォームからコメント頂ければ嬉しいです。
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